2009年09月30日 11:00
Camping2009 in Lake Onogawa
“We’re gonna sink!! We’re gonna sink!!”(ヤバい、沈んでまうぞ!!)
湖の真ん中でパニック状態の友人が大きく目を見開きながら叫んでいた。
シルバーウィークの初日から、私は友人らと福島の小野川湖へ2泊3日のキャンプへ出かけた。約一ヶ月半の準備期間で綿密に計画された今回の旅は、とんだハプニングから始まったが、最高の作品に仕上がった。
9/19
早朝の出発直前まで最終準備に追われていた私は、睡眠不足の状態で環七を車を高円寺まで走らせた。友人とこれ以上詰めようのない荷物のピックアップをなんとか完了させ、いざ福島のロングドライブへと出発。
心配された渋滞もなく昼過ぎには現地へ到着し、休む間もなくテント設営班と食材調達班に分かれてそれぞれ作業に取り組んだ。日が暮れる頃には次から次へと出来上がる焼きたてのハンバーガーが一人一人に配られ、腹ぺこのクルーはがっつきはじめた。
満点の星空に流れる天の川を見上げながらの美味しい食事と酒とキャンプファイヤー・・・、これこそ平和である。
まさに絵に描いたようなキャンプの初日は、心配された台風の影響もなく最高のスタートを切ることができた。その後深夜まで続いた宴も終了し、一人また一人と床についた。
9/20
強風でテントが暴れ狂う音で目が覚めた。
やがて太陽が昇り終わる頃には風もおさまり、天気にも恵まれた。
朝食を軽く済ませた私の頭には憧れのホワイトビーチでの日光浴しかなかった。始めて日本の自然に触れる友人を半ば無理矢理誘い、勇み足でカヌーを漕ぎ始めた。ところが岸近くでグルグルと旋回するのみで全く前に進まない。二人とも全くのド素人なので当然である。
やがて前に座っていた友人が「ポジションをスイッチしようぜ!」と言った。嫌な思いがふと頭よよぎったかと思ったが時既に遅し、カヌーが傾きはじめた。
私が体重移動でなんとか立て直そうとするも、地球の重力には逆らえず、それは実現してしまった。
みるみる船底に水が溜まり、カヌーが沈んでいく。
湖面から顔を出した友人が大きく目を見開いて横で叫んでいる。
その表情を見た私もさすがに怖くなってしまったが、「大丈夫!大丈夫!」と自分に言い聞かせ冷静を保とうとしていた。
「カヌー引っ張って岸まで泳ぐぞ!」と、靴に水が溜まって湖と一体になっていた足をなんとかバタつかせ始めた時、近くでボートで釣りをしていた夫婦が救出に来てくれた。
「助かったぁ・・・。」
救出船を出せる全力の握力で掴み、草場さんに怒られたくない一心がそうさせたのか、ありえない力が入った直角の足首で水中のカヌーを引っ掛けながら岸まで引っ張ってもらった。
ようやく足が届く深さまでたどり着き、岸辺で大爆笑していた友人に迎えられた。(しかも撮影までされていたとは・・・)
そのような状況下でも私の顔に密着していた相棒のレイバン(さすが男のサングラスである)の存在を確認して安心したところで、ずぶ濡れの服を脱ぎ始めた。お約束の言い訳の言い合いもほどほどにし、テントに着替えにいった。
内心落ち込みまくっていたが、「いや、これ結構オモロいぞ」と強引に自分を励ましてもみた。そうこうしているうちにやがて気分も落ち着き始め、気晴らしも兼ねて、こちらも初体験のフライフィッシングに出かけた。
午後からは別の友人と再度カヌーで夢の地を目指した。
もう怖いものは何もない。
さきほどの失敗から学んだ経験を生かし、順調に湖を一周する事ができた。
9/21
心地よい目覚めとともにテントを出るとそこには目を見張る光景が広がっていた。
霧の立ちこむ湖面・・・言葉にならないくらい美しい風景である。
来て良かったぁ。
別の友人たちは既に出かけたらしく、そこにカヌーはもうなかった。
私も早速釣り竿を携え、渓流に足を運んだ。
しばらくキャスティングを繰りかえしていた時に、ついにやった!!
やはり神様は見ていてくれたのだ。何とも言えぬ感触に一人で雄叫びを上げた。
満足気にテントへ戻って行った時には既に食事の準備が整っており、全員で湖の波打ち際にテーブルとイスをならべて最後のひとときを味わった。
やがて都会という現実に戻る時間は無情にもやってきた。
帰省ラッシュによる大渋滞で約11時間をかけて東京へ戻り、車の返却を済ませ、家に着いたのは朝4時。数時間後疲れもとれぬまま目を覚ませ、私の家に滞在していた“良き”カヌーメートはアメリカへ帰国していった。
私はまたベッドに倒れ、その日は目を覚ます事はなかった。
9/22
起きても思い出すのは最高の8人の仲間と過ごしたキャンプの事ばかり。
全力で遊んだ。めちゃくちゃ疲れた・・・。
でもこんな疲れならいくらでも大歓迎だ。
今回のキャンプではほんとうに多くの事を学ぶ事ができた。
あのメンバーの中で、誰か一人でも欠けていればこんな最高の時間を
過ごす事は出来なかっただろう。
夏休みの間業務を代わりに行って頂いたモレーンスタッフの皆さん、たくさんの情報とカヌーのキャリアを提供して下さった技術部の鈴木さん、それからカヌーとキャンプ用品一式を提供して頂いた社長の草場さん、エミさんに心から感謝申し上げます。おかげさまで最高の夏休みを過ごさせて頂きました!!
藤川 聡
キャンプの写真 on flickr

